*「秘書として」

「秘書として」

私は上司に恵まれていて、その人柄をとても尊敬している。幸い、上司の近くで仕事をしているので、毎日良い影響を受けている。一方、「上司は私の働きに満足しているのだろうか?」と、気になりだしている。

仕事に取り組む一人ひとりの「個」が、お互いに影響し合って創造活動をすることを「協働」と呼ぶならば、協働はビジネス活動の中で最も重要視されるものだと思う。仕事のできる秘書には、上司と協働できること、つまりペアワークのできる能力が必要だと学んだ。しかし、私にはまだまだその能力が足りないかもしれないなと思うのである。

先日、思いがけず上司から新聞の切り抜きを手渡された。
『社内顧客(上司編)』。「え?社内顧客?」目から鱗が落ちた。
そこには、「自分以外のすべての人を顧客と考えよ」と説いてあった。社内の人に役立つ行為を提供して満足してもらうこと、即ち「社内顧客」の発想をお互いが持てば、人間関係が整理され仕事がスムーズになるというのである。

身体を動かしていれば、とにかく働いているのだというのでは進歩がない。ましてや秘書は、頭で考え一歩先を進まねばならない。スキルが上がった時に喜びを感じるように、能力以上の仕事に挑戦して、達成感や喜びを味わいたい。そして、私にとっての「社内最重要顧客」である上司の顧客満足度を高めて行きたい。

以前読んだ本に、馬には次の四種類があるとあった。
廠馬(へいば)とはむちで打っても走らぬ馬、駑馬(どば)とはむちで打てば走る馬、良馬とはむちのかげを見て走る馬、俊馬(しゅんめ)とは騎手の心を察して走る馬のことだそうだ。
私は秘書として、俊馬のような働きをしてゆきたいと思う。

【HES会員/元 土木建築サービス業・社長秘書/K.F.】